どうも、孤高のスタイリッシュB型ブロガー・みやび☆りゅうです。
今回は久しぶりのショートストーリーです。
坂津さんの言葉ネタの記事からインスパイアされて、どの言葉も想像力を掻き立てられたので、今回そのネタの中から一つ選んでショートショートに挑戦してみます。
そう、「挑戦してみました」ではなく、「挑戦してみます」なので、まだ何も浮かんでないところからスタートです。
今回のお題は、坂津さん記事のネタのトップを飾ったこの言葉
「産まれたてのおじさん」のショートショートです。
さて、どうなることやら……。
「産まれたてのおじさん」 byみやび☆りゅう
出産したての(元)妊婦の疲れ切った顔を見下ろしながら、俺は大きく声をあげた。
「っしゃーっ!」
大きな産声とともに周囲から歓喜の声と安堵のため息が入り混じる。
俺は今産まれたばかりのおじさんだ。
無精髭が伸びて、いささかワイルドさが増しているであろう。
ノーメイクで眉の薄い母親の顔を見ながら思った。
思わず産まれた瞬間叫んでしまったが、「やったー!」とHEROSのヒロ・ナカムラの真似をしなくて良かった。
歳がバレる。
小さな身体が母親の胸元に置かれる。いわゆるカンガルーケアという奴だ。
むき出しにされた乳房を見て思わずドキリとする。
以前よく見ていたはずなのに、時間が経って仕切り直してみると全く違う風景に見える。
産まれた。
ようやく実感が湧いてくる。
そう、これから俺はおじさんとして生きていかなくてはいけないのだ。
この顔がさらに成長とともに老けていくのかと思うと憂鬱になる。
しかし、この顔を見せるのが楽しみでもある。
人はどんなに辛くても、その持って産まれた運命を背負い、従い、抗って生きていくのだ。
赤ちゃんの小さな手は、最初の苦しみを耐えたせいかギュッと握られていた。
「俺も頑張る。お前も頑張れ」
シングルマザーとして生きることとなった姉の横で、俺はそうつぶやいた。
出産にも立ち会った。出来る限りのサポートして、この子を支えて行こう。だって俺はこの子のオジさんなんだ。
頬に伝う涙を拭いながら、俺はそう決意した。
(了)
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最後に
いかがでしたでしょうか。もっと捻っても良かったのですが、ラストの余韻を考えてひねりの少ない感じにしてみました。
こういう”言葉からインスパイアされて”ストーリーにするのって、結構面白いですよね。
皆さんも挑戦して見てはいかがでしょうか。
みやび☆りゅうでした。Ciao!