先ほどA1理論 (id:A1riron) さんのブログを読んで、個人的に思うところがあったので、いろいろ思われることはあるであろうとは思われるが書かせてもらおうと思います。
A1さんのブログはこちらです。
お読みいただけるのが一番良いと思いますが、情報をスポンジのように吸収する新人に対して、情報を咀嚼してからでないと自分の中に取り込めないことについて書かれている。
この内容に関して、A1さんはご自身のことを問題児と称しているが、全くそんなことはないと思います。
これは、認知特性と記憶のメカニズムに関わるものではないかと思います。
認知特性というのは、ざっくり言うと人それぞれの記憶や世界を見る視点がどのように違うかを性質別に分けたものです。
詳しい部分は書籍などをご覧いただくとして、認知特性という考え方があり、以下の6つの特性が人によって様々な強度で存在しています。
【視覚優位者】
■写真(カメラアイ)タイプ…写真のように二次元で思考する。写真を撮るように記憶するので、3歳以前の記憶があったり、アニメの脇役の顔も上手に描けたりする。写真家、画家、デザイナーなど。■三次元映像タイプ…空間や時間軸を使って三次元で考える。映像として記憶するので、人の顔を覚えるのが得意で、マンションの間取り図だけで部屋を立体的に感じられたりする。建築家、パイロット、外科医、機械技術職、舞台制作者やテレビカメラマンなど。
【言語優位者】
■言語映像タイプ…文字や文章を映像化してから思考する。他人の何気ないひと言から鮮明なイメージを抱くこともあり、比喩表現なども得意。コピーライター、絵本作家、雑誌編集者、作詞家など。■言語抽象タイプ…文字や文章を図式化してから思考する。初対面の人を名刺の文字で覚え、ノートをわかりやすくまとめるのが上手い。内科系医師、作家、教師、金融関係者、心理学者など。
【聴覚優位者】
■聴覚言語タイプ…文字や文章を耳から入れる音として情報処理する。難しい話題でも、一度聞くと理解でき、ダジャレや人の言葉尻を捉えるのが上手い。弁護士、教師、落語家、アナウンサー、音を意識できる作詞家など。■聴覚&音タイプ…音色や音階といった音楽的イメージを脳に入力する。音楽を一度聞いただけでメロディを口ずさめたり、モノマネや外国語の発音も上手。ミュージシャンなど。
誰もが上記の一つのタイプという訳ではなく、カテゴリーごとに強い、弱い、標準的と言ったような認知特性を持っています。
この考え方から何がわかるかというと、人によって世界の捉え方や覚えかたの傾向があって、強い特性で入力があれば記憶に残りやすいし、弱い入力方法では記憶は曖昧になるということになります。
これは記憶だけでなく、普段から世界を認識する人それぞれの6軸のバランスが異なるということです。
今回の新人で覚えの良い方は、自分の既存の認識パターンに当てはめやすかったか、自分にあった入力方法で情報を伝えられたということとも言えます。
先ほどの6つのタイプの3系列で言えば、視覚優位者の入力スピードは、他の優位者より多いので、記憶が早いという人の認識パターンは視覚優位者に多いということになります。
言語では論理的に、聴覚では時系列的に、視覚優位者であれば同時並行して情報処理を行うため、アウトプットや記憶のステップがかかる言語優位者や聴覚優位者よりも視覚優位者の方が早いということです。
では視覚優位者が良いのか? というとそうでもありません。
視覚優位者は感覚的になりがちで、論理的なステップを飛ばし、時系列で考えないため仕事上の細かいミスに繋がりやすく、一般的には不思議ちゃんと呼ばれる方も多い認知特性です。
どの認知特性が良い悪いということではなく、人それぞれ個性があり、その人に合ったやり方があるということです。
ご自身が苦手なことは、敢えて克服する必要はないかと思いますが、起こしやすい失敗は認識しておいた方が良いかも知れません。
向き、不向きと言ってしまえばそれまでですが、自分に合わないなという仕事でもその人でしか気を配らないことがあることを理解していれば、多くの仕事は決して向かない仕事とは呼べないでしょう。
司会業や芸人さんでもない限り、短期間での記憶もアウトプットも求められないはずです。情報を咀嚼して考えている時間があるのであれば、その方が良い結果につながることもあります。
人間は多様な性格や性質を社会的に共存し、後世に遺伝子を残すことで過酷な自然に適応し生き残ってきた生物です。
どんな特性や障害をお持ちでも、必要のない人間など、この世にはいないのです。