どうも、孤高のスタイリッシュB型ブロガーみやび☆りゅうです。
今回も怖い話シリーズです。
良かったら読んでみてください。
読むの面倒な方は、朗読もあるんで下記からどうぞ↓
「トンネルの肝試し」
その地方には「必ず幽霊に出会うトンネル」という有名な心霊スポットがあった。
それは昔、炭鉱に行くために使われていたトンネルだが、石炭の需要が減ってからは炭鉱が閉鎖され、たださびれゆくままになっていた。
ある夜、若い男女3人がそのトンネルへ肝試しに行くことになった。
男の子が2人と、女の子が1人。どちらかというと女の子が乗り気で、男の子はふたりともビビッている状況だったが、女の子の手前怖がっているのを悟られないようにしていた。
トンネルの前に付くと辺りは真っ暗で、薄曇りの月明かりしか頼るものがなかった。
隣の人の顔も分からないような状況に、最初乗り気だった女の子も怖くなって
「3人で手をつないで行こう」と言った。
1人では怖いが、手をつないでいれば顔は見えなくてもそばにいてくれることが分かる。
皆で手をつないで、真っ暗なトンネルを恐る恐る歩いて行く。
お互い、つないでる手が恐怖で震え、冷え切ってしまっているのが分かった。
50mくらいだろうか、真っ暗なトンネルの先に出口が月明かりでぼんやり光って見える。
出口に近づくにつれ、明かりが大きくなって見えて、皆の歩く速さも少しづつ早くなっていくような気がした。
ようやく出口だというところで、隣にいた友達がなにかささやいたような気がした。
しかし、早くトンネルから出たいという気持ちが勝って、そのまま出口へ進んでしまった。
出口を出て手を離した三人は、口々に「あー良かった」と言っていた気がする。
女の子が「二人とも手が震えてたよ」とからかうと、男の子の一人が「いや、お前らも震えてただろ」と言った。
もう一人の男の子は、その発言になにか引っかかった。
「あれ、真ん中俺じゃなかった?」
そうだ、手をつないだのが真ん中でなければ二人の手は握れない。
その時点で気づけば良かったのだが、思わず気になったことを口に出してしまった。
「出口で誰かささやいてたけど、なんて言ってたの?」
その途端近くの暗闇から低い女の人の声がした。
「私たちをトンネルから出してくれてありがとう」
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