「男は胃袋でつかめ」なんて女子向けの情報紙では言われているけれども
敢えて言わせてもらおう。
男の本音を。
最近、真面目なオピニオン系のエントリーばかり続けたので、そろそろ良いだろう。
私もそろそろ限界だ。
言うよ。
言わせてもらうよ。
さあ、今言うよ。
言ってもいいかい?
じゃあ、言わせてもらう。
「男は、肉じゃがにときめかない」
よく女性向け雑誌やサイトには
「男の胃袋をつかめ」みたいな特集が多いが、この風潮に今日は物申したい。
「胃袋をつかむ」ってなに?
いつ頃からだろう「胃袋をつかむ」という表現が一般化したのは。
私の感覚的には2010年前後からではないかと思うが、おそらくどこかの女性雑誌から広まったんではなかろうか。
この「美味しいものを作れる女は理想の結婚相手をゲットできる」的な発想は、女性雑誌で料理特集を組む際のコピーとしては、かなり秀逸な出来である。
多くの場で耳にするこのフレーズだが、このフレーズに乗せられて煮物の作り方などを練習し始めた妙齢の女子たちには、お気の毒さまと言いたい。
男が煮物を好むという幻想と、煮物が作れる女子すごい的な旧人類の遺産を受け継ぐ姿勢が「胃袋をつかむ」=「肉じゃが」という流れにつながったのであろうが、残念ながらこれは間違いである。
確かに煮物は調味料の基本割合を学習するには良いテーマだし、料理の基礎力が上がると思う。
男も結婚する相手は料理がうまくあって欲しいという願いはあるが、男の感覚からしてみると、和食で煮物は結構好みの差が大きい。
私の意見としてはカボチャの煮物と肉じゃががそれにあたる。
なぜかと問われれば以下の理由だ。
・ご飯のおかずになりにくい
ジャガイモで炭水化物は十分なところへ、米をかきこむには少し甘い味付け。玉ねぎと肉だけを抜き出してセルフ牛丼や豚丼にしたくとも、そうもいかない量であるし、いっそ同じ材料ならカレーにしてくれれば何倍も飯が食える。
ホワイトシチューにされると、それはそれで微妙だが、ご飯のおかずという観点から見るとこれは中途半端な料理と言わざるを得ない。
カボチャの煮物ももっさりしてご飯のおかずにしづらい。
・酒の肴にするにはボリューム感がありすぎる
例えばビールには、肉じゃがは合わない気がする。
基本合うお酒としては、日本酒か焼酎などであろうが、最近の男子は日本酒を飲むことが減っている。
ワインと肉じゃがも合わなくはないだろうが、あまりしない組み合わせだろう。
肉じゃがやカボチャのボリューム感は酒の肴にしては重い感じがある。
・どうせなら煮ないで欲しい
煮物ではなく、同じ材料を使うのであれば、むしろ焼いたり炒めたりしてくれた方が良い。
男は煮物が好きなものだという幻想は、まだ以前の日本の価値観から抜けきれない旧世代の日本人の幻想で、煮物よりも同じ材料をローストして焼肉のタレか何かをつけたものの方をおかずやつまみに求める人も多いだろう。
そもそも現代はコンビニでもスーパーでも美味しい物が手に入る時代。よほど何か問題がなければ、そこかしこでそれなりの物が手に入る。
食べ物に関して、昔の考えのままで接していると時代から取り残されてしまう。
そろそろ「母親が作る煮物の味」という王道の家庭料理観が、共働き世帯が当たり前になった事で食事を作るのにかける時間も減少し、変わりつつあるのだ。
さあ、今こそ言おう。
さあ、今こそ男の本音を言おう。
男は煮物が好きだと先入観にとらわれずにいて欲しいことを。
時代が変わったということを。
胃袋をつかむという事は結婚には全く関係がないことを。
「男は煮物、特に肉じゃがが好き」だというのはデマだということを。
胃袋をつかまれるより、つかまれるともっと弱い部分があるということを。
日々笑顔で明るく接してくれる女性の方が、いきなり胃袋をつかみにきて、マウントポジションになる女性より好かれるということを。
まとめ
結論として「胃袋をつかむ」というどこかのライターが作ったコピーのイメージに惑わされずに、あなた自身の感覚と魅力、観察眼とコミュ力で、男性と接してみてはどうだろう。
食事の好みも人それぞれなら、育ってきた環境も違う。
世間でよく言われている事でも、疑いをもってみる姿勢も必要だという事を理解していただきたいのだ。
「胃袋を掴むより、あなたなりの真実を掴め!」