以前のブログでマジックワードについて書かせていただいた。
今回、その記事で触れた悪い意味でのマジックワードについて
とても良い例が挙げられていたので紹介しよう。
それはこのニュースに挙げられていた。
サッカーが好きな方でも使ってしまいがちなマジックワードだ。
この記事の中で触れらている内容はとても良いと思う。
同志社大のテクニカルディレクターに就任した中西哲生氏の言葉を引用させていただこう。
その中西氏は常々、「日本サッカー界には『決定力不足』という言葉がありますが、日本には物事を抽象化してしまうマジックワードの弱点が幾つかあって決定力不足もその一つ。私は絶対そこから逃げないし、『全て論理にする』という覚悟を持って取り組んでいます」と話している。
そう、サッカーを見る人もやる人もつい使ってしまう言葉。
それは「決定力不足」だ。
シュートが決まらない日本サッカー陣は、
「シュートが決まらない」という課題に対し、
「シュートを打つ本数が少ない」
「じゃあとりあえずシュート打ってシュート本数を増やそう」
という確率論に根ざした思考パターンに陥りがちだ。
確かにシュートが決まらないことが、単純にその機会が少ないことに要因があるのであれば、シュート本数を倍、3倍にすれば入るような気がしてしまう。
「決定力不足」を宝くじに当たる確率のように、枚数を買うという解決策に落ち着いてしまっているのだ。
本当にそうなのだろうか?
多くの人が論理的に考えることから逃げ、既成の解決策に対して疑問を持たないようになっているのではないだろうか?
中西氏の取り組みはその今までの思考の停止した日本サッカー界へのアンチテーゼだ。
現役引退後に監督業を営んでいるわけではない中西氏ではあるが、プロのサッカー指導者以上に「決まるシュートとは何か?」を様々なアプローチによって突き詰め、一つ一つのシュートを理論として構築するのみならず、技術に落としこむためのトレーニング(ドリル)メニューもきちんと作って指導現場に立っている。
「決定力不足」という言葉がはっきりとマジックワードだということを認識し、そこに対して論理を持って解析し、解決策を持って指導をしていく。
これこそが多くの日本の指導者に求められる姿勢だと思う。
(下記リンクの記事にも良い事例が挙げられている)
企業や一般組織でも同じことだ。
言葉のイメージによる呪縛、論理からの逃避が一度思考の中に入り込んでしまうとなかなかそこから抜け出せなくなってしまう。
問題に対して解決策を伝えたいのに、自分自身にその解決法が思いつかない時に指導者はついこのマジックワードを使ってしまう。
「組織一丸となって取り組もう」
「常識で考えればわかるだろう」
「 プロ意識を持って臨め」
いずれも具体的な意味を持たないマジックワードたちだ。
そんなものに振り回されることはない。
問題に対して論理的に考える姿勢を持って臨めば、先ほど挙げたようなマジックワードを使うことで停滞してしまった思考を正し、課題と解決策に対して本来行うべきアプローチを行うことができるだろう。
これは上司、部下などの関係にかかわらず、自分自身の内なる声でも同じことで、思考を停止させるようなワードを安易に使うべきではないのだ。
まさにこのマジックワードを使うということは罠であり、罪である。
最後に、このブログの読者が増えないことは悩ましい問題である。
なので自分自身一丸となって誠心誠意、プロ意識を持って臨むことをここに誓いたいと思います(←)
ほら、なんとなく良い事言ってるようで、「全く内容がないよう」でしょ。
皆さんもお気をつけを。